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2006 / 04 / 26 ( Wed ) 雪が降りはじめた。 平成37年もあと10日で終ろうとしていた。
ここ数年は暖冬で、年末に雪がちらつくということはほとんどなかった。 周りはシーンと寝静まっている。春江は真っ暗な部屋の中で、自分の身体を天上付近から見下ろしていた。 『やっぱり本当だったんだわ。』 もう20年以上も昔のことになる。膵臓ガンに侵され、医師から余命1年といわれ、目の前が真っ暗になった。 幸いにも理学療法士の志村と出会い、奇跡的に復活した。 志村との出会いの中で、臨死体験を直に体験者から聞き、志村から紹介された本を読み、いろいろ体験してきた。 『これって本当なの』 と迷いが無かったわけではなかったが、目の前にマネキンのようにピクリとも動かない自分の姿を見て、臨死体験の話が本当だと思った。 『あんな大病を乗り越えてきたのに、死というのは本当にあっけないものだわ。』 齢85にもなると体力が衰えた。風邪を長引かせ体が弱っているところにきて、痰が喉に詰まって窒息死してしまった。 『せっかくだから、いろいろ試してみよう。』 春江は臨死体験の話を思い出した。ずいぶん昔の話なのに今でもはっきり覚えている。 『今日子はどうしているだろう。』 と思った瞬間、今日子の部屋にいた。 自分がどうなったかわからないが、今日子の部屋に移動していた。今日子は安らかな顔をしていた。この嫁にはずいぶん苦労を掛けた。本来なら息子の隆志に連れ添っているはずなのだが、隆志は10年前に仕事を苦に自殺してしまった。それ以来女手一つで2人の子供と春江を支えてきた。子供たちが独立してからは、春江と二人暮らし。嫁は血の繋がらない赤の他人ではあるが、実の娘よりも良くしてくれた。 『長い間、本当にありがとう、今日子。』 涙が出そうになった。死んだ後もこのような感情があるとは聞いていたが、まさにその通りであった。ただ変化したのは、重く、言う事をきかなかった身体がないというだけで、あとは何も変っていない。意識とか、感情とかは以前とまったく同じだ。 |
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by: くれくれ厨 * 2008/04/11 19:46 * URL [ 編集] | page top↑
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