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2006 / 06 / 29 ( Thu )
「とんでもないですよ。僕の方こそ色々勉強させてもらいました。昔読んだ本を引っ張り出してきて読み直す機会を得たことはとても有意義でしたし、片山さんの理解が早いのには驚きました。普通、霊界のことを理解していくにはそれなりの準備が出来ていないとなかなかできないものです。目に見えない世界ですから、自分で得心がいったと思っても、状況が変れば、やっぱり違うんじゃないかと思うものです。シルバーバーチも言っています。直線的どんどん進んではいかないって。螺旋階段のようにゆっくりゆっくり進んで行くって。片山さんを見ていると、それほどゆっくりはしていなかったですね。やはり、切羽詰った病気を抱えていたからかも知れませんね。」
「そうですか。私も直線的には進んできてはいませんよ。病気が背後にありましたから、切羽詰っていたことは事実ですが、振り子のように、本当だ、やっぱり違うって、気持ちが大きく揺り動いていました。けれど、身体が楽になってきているという事実があるので、本当だなって思うようになりました。瞑想して、守護霊さんとコンタクト取るようになって少し変ってきたような気がします。空想じゃなくて実在の世界があるなって思います。」
「そういう意味では、片山さんはついてますよね。最悪の状態から始めましたので、頭で考える想像の世界ではなく、実感できる実在の世界として霊界を知ることができたのですから。」
「そう言われると、そうかもしれません。」
志村は満足そうな顔をして帰って行った。
 春江は志村に初めて会った時からのことを走馬灯のように思い出していた。最初から霊界のことを教えてもらわず、臨死体験から入っていたのが良かったかもしれない。臨死体験談を春野から聞いたことが一つのきっかけであり、もしかすると、あの世と言われる霊の世界があってもおかしくないと思い始めた。そして、霊界へ旅立ってまもなくの人からの通信を読んで、やっぱりそうだ、霊界は確かにあると実感しつつあった。そして止めはシルバーバーチだった。霊界のことが理路整然と疑いの余地もなく語られている真実だ。もうここまで来ると、死ぬの、生きるのということは大きな問題ではなくなっているのに気付き、自分でも驚いてしまう。あんなに死ぬということが化け物のように恐ろしかったのに、今は恐ろしさなど微塵も感じない。とても同じ自分とは思えないくらいだ。死という事実がいかにねじ曲げられて伝えられているか、を思うと気が滅入りそうになる。突然死を宣告された人々が少しでも霊界の真実を知ってもらえば、ずっと楽にいられるのにと思わずにはいられなかった。
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