あとがき
2006 / 10 / 25 ( Wed )
 ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 このブログは小説です。
この世しか目に入らず、生きることに価値が見出せない人、生きる目的が分らない人、死の恐怖に怯えている人のために、死後について、生きる目的などを、ちゃんとした文献を提示しながら、書き綴りました。

 ものが溢れる中、ものを手にすることだけでは幸せになれない現実を知ってしまった今、どうしたら幸せに生きることが出来るかを真剣に考えなければなりません。そのひとつに、死後の世界を知ることが挙げられます。

 死後の世界を理解しないと、自分は何しにこの世にやってきたかという、根本的な動機を知ることが出来ません。この動機を知ることによって、今、自分の置かれている状況、生きる目的が明確になり、生きている悦びを味わうことができます。

 主人公は死の宣言を受けた老齢期に差しかかろうとしている婦人ですが、死が目の前に迫っている人にとって年齢、性別に関係なく同じ状況ではないでしょうか。その主人公が死とはどのようなものであり、死んだらどうなるか、死の恐怖はどうすれば克服できるかを、文献を紹介しながら物語風に記しています。

 この物語を読み進んでいくうちに、死の恐怖を乗り越え、生きることに悦びを感じていただければ望外な仕合せです。

やまでん
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2006 / 10 / 18 ( Wed )
「おじいちゃんの隣の人どなたなの?」
「曾おじいちゃんだよ。写真でも見たことないかい。」
幸治が雅に答えた。雅はささっと曾おじいさんの龍造に近寄って
「曾おじいちゃん、わたし雅。お会いできて嬉しいわ。」
「わたしは何度も会っているけれど、雅ちゃんと話が出来て嬉しいよ。」
「え、わたしに何度も会っているんですか。」
「ああ、そうだよ。お彼岸のときにお墓にお参りに来るだろ。そのとき、お前のおじいさんと2人で来てお前たちと会っているんだよ。今度は春江がこちらに来たから3人になるな。ハッ、ハッ、ハッ」
龍造は顔をくしゃくしゃにして笑いながら答えた。
「わたしは授業であの世に行く練習をしていくらかできるようになったんだけど、こんなにはっきり死んでしまったおじいちゃんや曾おばあちゃんに会えるとは思いもしなかったわ。本当にあの世があるのね。学校に行ったらみんなに話さなくっちゃ。」
「そうだね、みんなに話しておあげ。あの世はちゃんとあるよ、ってね。」
「そうですね。」
雅は嬉しそうに答えた。
ひとしきり話が済んだ。
凛と今日子はずーっと心にわだかまり、引っかかっていたことが、隆志に会えたことで解決し、お目当ての春江、そして予想もしていなかった龍造にも合えて、満足かつ晴れやかな顔をしていた。
「そろそろ、帰らなくては。」
幸治が言った。
「そうだね。こっちも行かなくちゃいけないところがあるし、お別れだね。」
「せっかく会えたのに、なんだか寂しいね。」
凛は目に涙を浮かべている。
「大丈夫だよ。呼んでくれれば、目に見えなくとも、すぐ側に来ているから。それに、一度こちらに来ることが出来たんだから、また幸治に頼んでみんなで来たら。そうすればいいじゃない。」
隆志が言った。
「そうね。」凛も納得し、今日子や雅もうなずいた。
「じゃあ、また会いましょうね。」
3人は踵を返し、遠ざかって行った。
「こちらも帰るとしよう。」
大任を果たし、やれやれといている幸治であった。
凛は幸治にそっと呟いた。
「死んだ人に会えるなんて、凄いことだね。こんなことが簡単に出来るようになれば、世の中変るかもね。幸治、これ広めないといけないね。」
幸治は笑顔で軽くうなずいた。
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